
斑唐津筒盃 Y-545【売約済】
桃山時代から江戸時代初期に焼成された斑唐津の筒盃です。
藁灰釉による白濁した釉調がやわらかく器肌を包み込み、濃淡の移ろいが幽玄な景色を描き出しています。
胴はやや膨らみをもち、口縁をわずかに締めた端正な造形です。
低く削り出された高台には力強さが宿り、粗土の質感が桃山陶ならではの野趣と生命力を伝えています。
焼成の際に生じた釉溜まりや、金繕いの穏やかな線が器に深みと個性を添え、時の流れを映すかのような趣を醸し出しています。
掌に収まる小さな盃ながら、その景色の変化と存在感は堂々たるものがあります。
桃山の窯炎が生んだ美を愛でながら、呑むお酒も格別なものとなるでしょう。
※矢印Aの部分に金繕いが施され、矢印Bの部分に「釉溜まり」がありますが、それが個性ある景色を作り出しています。
直径58~60mm×高さ53mm
ご売約ありがとうございます。