チベット仏画断簡 B-134【売却済】
チベット文化圏で作られた宗教画タンカ(Thanka)のグリーンターラ(日本名は緑の多羅菩薩)の断簡です。
タンカ(Thanka)は、チベット文化圏(中国チベット自治区、ネパール、ブータン、モンゴル、北インド方面)で作られた、布に描かれた宗教画です。
像は、手に青い蓮の花を持つグリーンターラ(日本名は緑の多羅菩薩)です。日本とチベットでは共通した仏が信仰され続けているケースも多いですが、チベットでは釈迦如来や大日如来よりも、ターラ菩薩やパルデン・ラモ(忿怒形吉祥天)といった女神が盛んに信仰されることが特徴的です。
柔らかな曲線で、優しいまなざしの愛らしい像が描かれています。美しい色彩も残っていて、全体に優美な雰囲気が漂っています。チベットの地の人々の願いや祈りが伝わって来るようです。見ている人を、優しい気持ちにさせてくれる仏画です。
時代は12~13世紀頃と推定されます。
■ターラは、チベット仏教の伝統の中で観音様の慈悲の涙から生まれたと伝えられる女性の姿をした菩薩です。右目からこぼれ落ちた涙からは、ホワイトターラが、左目からこぼれ落ちた涙からは、グリーンターラが、生まれました。それぞれ女性のなかの女性性と男性性を表しています。
ホワイトターラは、包容力のある慈しみの心で衆生の苦しみを見つめ、この世のあらゆる苦しみを見つけ、救いの手を差し伸べる『静』の女神です。無病息災・延命長寿などの願いを叶えると言われています。
一方この仏画に描かれているグリーンターラは、活動的な面が強調されていて、何時でも救済に出かけられるように右足を前に出しているのが特徴です。招福・財運などの願いを叶えると言われています。急な助けが必要な人のために機敏に移動出来る能力を持った『動』の女神です。また観音の救済にもれた人々も、全て残さず救うという「万能の救いの女神」とも呼ばれています。
※額のガラスは外れないようになっていますので、撮影の際に反射・写り込みがあるため、仏画断簡を撮影する際には額を外して行っています。
額の大きさ 縦310mm×横208mm×厚さ15mm
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