絵志野筒向付 Y-463【売却済】
桃山時代の絵志野筒向付です。
器全体に厚い長石釉がかかり、淡雪がふっくらと降り積もっているような、柔らかな質感が特徴的です。
雪の下から、見え隠れするように、伸びやかで大らかな絵が施され、趣きのある景色を描いています。
所々に現れるピンホールや、全体を覆う赤みを帯びた貫入は、深い味わいを加えており、また、時代を経て使い続けられて出来た古色により、器の印象は陰影を帯びています。
夕暮れ時の雪景色の世界を見るような風情があります。
器の造形は、内に力を秘めているように力強く、シルエットが描き出す曲線は優美でプロポーションも美しいです。
向付ですが、茶碗として使えば、手に心地よく納まり愛玩できる茶碗となるでしょう。
古格を備え、優美さと力強さを併せ持つ、いかにも愛らしい雰囲気の器です。
鑑賞陶器として眺めていても見応えのある一品です。
矢印Aの部分に白漆での繕いの跡があります。矢印Bの部分に古いニュウがありますが進まないように止まっています。矢印Cの部分に繕いの跡があり、矢印Dの部分に金繕いが施されています。矢印Eの部分は窯キズです。しかし、それぞれ景色に溶け込み、景色の一部になっています。
直径88mm×高さ73mm
お買上げありがとうございます。