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遮光器土偶 K-113【売約済】

縄文時代晩期の遮光器土偶です。

その神秘的な姿は、見る者を強く惹きつけ、古代の人々の精神世界を今に伝えています。
「遮光器」という名称は、イヌイットやエスキモーが雪中で使用するスノーゴーグルに由来します。
この土偶の目にあたる部分の独特な形状が、それに似ていることから名付けられました。
構造的には、内部が空洞となった「中空土偶」の一種であり、大型土偶の制作に用いられた高度な技術がうかがえます。
この遮光器土偶は、その形状の特徴から、東北地方で出土したものと推定されます。

その表情には、凛とした厳しさが漂い、全身に施された流麗な「雲形文」「唐草文」などが華麗な美を添えています。
この意匠は単なる装飾にとどまらず、縄文人たちの祈りや呪術的な願いを込めた象徴的な表現であったと考えられます。
土偶の力強いフォルムは、まさに「祈りの形」としての圧倒的な存在感を放ち、見る者に深い感銘を与えます。
また、その愛らしい姿には温かみがあり、縄文人たちの感性と人間味を感じさせる一方で、不思議な癒しの力さえ宿しています。
この遮光器土偶は、縄文人たちの信仰や儀式における重要な役割を担う存在でした。
オーラに包まれた姿には、時代を超えた原初のエネルギーが宿っているようで、現代の私たちに彼らの精神世界を強烈に訴えかけてきます。
遮光器土偶が持つ独特の造形美と精神性は、縄文人たちの深い信仰と豊かな創造性を物語っています。
その姿は、私たちに彼らの祈りと神秘の世界を伝え続けているようです。

■遮光器土偶は、亀ヶ岡文化という特定の縄文文化圏の中で生まれ、その後、短期間で顕著な発展を遂げました。
亀ヶ岡土器様式に代表されるように、その地域では独特の造形美の土器や土偶が多く作られました。
それらは「まつり」に供され、その後故意に壊されて捨てられることが一般的でした。
この破壊行為は単なる廃棄ではなく、深い意味が込められています。例えば、病気や不幸を祓うための儀式や呪術的な行動として行われたと考えられています。
遮光器土偶は装飾品や単なる道具ではなく、縄文人たちの「まつり」の中で精霊の「よりしろ」として重要な役割を果たしました。
その存在は、彼らの信仰や儀式の中心であり、コミュニティの精神的支柱でもあったと思われます。

いくつかの部分を継ぎ、所々に修復がありますが、見応えのある土偶です。

ご売約ありがとうございます。