李朝 鶏龍山小壺 Y-266【売却済】
李朝時代前期の鶏龍山小壺です。
古美術品は、「どれだけ目を喜ばせるか」で価値が決まってくると思います。美しいと感じさせる要素、面白みを感じさせる要素がどれだけ詰まっているか。李朝の粉青沙器、その中でも、鶏龍山にはこの要素が多く含まれているように思います。それが鶏龍山の人気の要因でもあるのでしょう。
白磁への憧れから、その代用とも言われている白化粧は、白磁にはない温かさと奥行きを感じさせます。白磁とはまた違った魅力を発揮しています。
この壺は、形に張りがあり全体的に引き締まった力強さがあります。シルエットが描く曲線は美しく、形のバランスの良い壺です。小壺とはいえ堂々としています。
白土の上に一気に描かれた鉄絵の筆の勢いは抜群で、生き生きとした生命力を感じさせます。時代を経ているにもかかわらず、「活きのいい骨董」と呼びたいような壺です。
※口辺中央から斜め下に向かって線状の繕いがあります。一日、水を入れて調べましたが、水漏れはありませんのでご安心ください。
■鶏龍山窯(けいりゅうざんよう)
韓国にある鶏龍山の東側に散在する、朝鮮(李朝)陶磁の鉄絵粉青で名高い窯。15~16世紀を中心年代とする。そのシャープな感覚の魚や草花文の絵付けは、世界的にも評価が高い。日本では、鉄絵粉青を別名「鶏龍山」と呼び慣わしてきた。最も特徴的な鉄絵粉青は、非常に薄手で、茶褐色の鉄分の多い胎土の上に白土を刷毛で施し、活達な筆捌きで、魚・牡丹・草花文を描く。器形は、鉢・皿・瓶・壺など多様である。(角川日本陶磁大辞典「鶏龍山窯」から抜粋)
直径146mm×高さ103mm
お買上げありがとうございました。