朝鮮 粉引鉢 Y-471【売却済】
朝鮮時代前期の粉引鉢です。
凛とした緊張感と、迫力のある造形が心を捉えます。
粉をはいたような柔らかな白で包まれた姿も魅力的です。
白土と、その上に掛けられた透明釉の下から、胎土が所々に露出して、味わい深い景色を描き出しています。
口辺から見込みに向かう金繕いの線が、生命を宿し、宙を浮遊しているように見えます。
その数本の線が、軽快でリズミカルなテンポを器に与え、魅力を高めています。
古格を感じさせながらも、お洒落な雰囲気を放っている粉引の器です。
彫刻作品を眺めるような趣きがあります。
■粉引とは、朝鮮時代前期の15、16世紀に焼かれた白化粧陶器の一種です。韓国でいう紛青沙器に属します。かなりきめの粗い陶胎を白泥の桶にずぶりと浸け込んで化粧掛けするところに特色があります。これを素焼きして、さらに透明釉を掛けて高火度の還元炎で焼成しています。透明釉は、高麗青磁の系譜を引き、つやつやとした釉はほんのりと淡い青色を帯びています。
矢印A・B・Cの部分に金繕いが施されています。白土とその上に掛けられて透明釉の下から胎土が所々に露出していますが、それらは景色に溶け込み、美しい世界を形作っています。
口辺の直径174mm×高さ84mm
お買上げありがとうございます。