木彫菩薩像残欠 B-165【売却済】
鎌倉時代の木彫菩薩像残欠です。
古格を感じさせる優美な像です。
残欠ではありますが、堂々とした存在感があり、見る者に迫って来るような迫力があります。見応えのある像です。
隅々まで神経の行き届いた厳しい作風で、目の部分には玉眼が施されています。
ふくよかな顔立ちは、豊かさを感じさせ、凛々しい眼差は静かに何かを問いかけているようでもあります。
像の表層部分の剥離や、傷みが惜しまれますが、像が美仏であったことは残欠からも充分伺えます。
凛とした佇まいからは、古(いにしえ)の時代の高貴な香りが立ち上がってくるようです。
眺めているだけで、心が満たされる像です。
■玉眼とは、仏像の眼部に水晶をはめ込んで、実際の人間の眼に近い輝きをもたせたものです。この技法は、平安時代後期の像から見られ、鎌倉時代から盛んとなった方法です。日本彫刻の特色の一つともいえます。
※表面が脆くなっておりますので、取扱いにご注意ください。