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スリップウェア大皿 Y-349【売却済】

イギリス18世紀のスリップウェア大皿です。

造形は力強く重厚で、スケールも大きく、風格さえ感じさせます。器の内側の文様は、「泥漿・でいしょう」を用いた手仕事の素朴な装飾ですが、偶然と手技との絶妙なバランスは面白味があり美しいです。精巧に出来た磁器では味わえない温かみがあります。人に使われ、伝えられてきた時代の重みを感じます。野暮ったさは無く、全体から洒落た雰囲気を漂わせているスリップウェアです。

■スリップウェアとは、粘土と水を混ぜてクリーム状にしたスリップ(泥漿・でいしょう、化粧土)で表面を装飾し、一般にその上に透明釉である鉛釉をかけて焼成した陶器です。
装飾法には、単色のスリップの化粧掛け、素地の色と対照されたもの、二色以上のスリップを流して墨流し文や波状文を生み出す方法、クリーム状のスリップをトレイラー(またはピペット)や筒を使い、点や線で文様を置きつける方法、全面に地色となるスリップをかけ、さらにこの上にスポイトから細く垂らしたり、筆で描いたり、更にこれを櫛状の道具で引っかいたりして文様を描くなど、多様な方法があります。
古代メソポタニア以来、各時代の各文明で広範に製作されたが、とくに17~18世紀のイギリスで活用され、スリップで大きく人物や動物を描いた絵皿、もしくは器の表面全体に美しい網目や櫛目状の装飾を施した大皿やパイ皿、大型のマグ、燭台などにひときわ印象的な製品が残されています。
こうしたスリップウェアは進んだ陶磁器技法の普及や産業革命による大量生産品の普及とともに廃れました。しかし20世紀になって見直され、その後、バーナード・リーチや濱田庄司・河井寛次郎らの作陶や、柳宗悦の民芸運動に強い影響を与えました。

倉敷民芸館の所蔵品に、同手のものが紹介されています。
■参考サイト 倉敷民藝館公式ホームページ・所蔵品
http://kurashiki-mingeikan.com/w-ceramic.html#wc5

器の矢印A野部分に小さなカケ、矢印Bの部分に小さなカケがいくつかあります。しかし景色に溶け込み気になるものではありません。状態は良いです。

縦313mm×横388mm×高さ61mm

お買上げありがとうございます。