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織部千鳥草文茶碗 Y-554

 

桃山時代から江戸時代初期にかけて、美濃の地で焼成された織部千鳥草文茶碗です。
古田織部が好んだとされる、自由で斬新な「織部好み」の精神を色濃く宿した茶碗です。
当時の茶人たちが愛した、独特の造形美を今に伝えています。
端正に開く碗形は均整がよく、高台から口縁にかけて力強く立ち上がり、腰の一線が全体を引き締める造形は、凛とした存在感を備えています。
茶碗の寸法も良く、掌中に置いた際の安定感も格別です。
胴には鉄絵で千鳥三羽と草文を配し、余白を活かした伸びやかな筆致には勢いがあり、絵師の呼吸が感じられます。
簡潔に描かれた千鳥は躍動感に満ち、桃山らしい自由闊達な気分を湛えています。
裏面へ大きく流れる草文との呼応も見事で、全体を通して破綻のない構図を形成し魅力的です。
茶碗全体で「野原や水辺を飛び交う千鳥」という情景が、一幅の絵のような世界観として完成しています。
器の全面には柔らかな長石釉が掛かり、細やかな貫入が全体に広がっています。
長年の茶の湯の使用を経て育まれた艶がしっとりと浮かび、見込みの景色も静かな味わいがある茶碗です。
茶の映りも落ち着いた趣があります。
口辺には赤漆による繕いと、数箇所の金繕いが施されていますが、器の景色に自然に馴染み茶碗に個性と華やぎを添えています。
これらの繕いは、この茶碗が慈しみながら使われて来た証であり、時代を経た器のみが持ち得る風格を与えています。
高台は低く安定し、削りも端正です。焼成は穏やかで、桃山美濃の上質な作域の一碗と考えられます。
華やかさと品格、そして緊張感、さらに時間が育てた深みを併せ持つこの茶碗は、茶席の空間を格調高く彩り、確かな存在感を放つでしょう。

口縁に赤漆の繕い、ならびに数箇所に金繕いがあります。矢印A部分にはニュウが見られますが、いずれも永年の伝世を物語るもので、器に馴染んでいます。そのほか時代相応の擦れ等はありますが、実用上問題となる傷みはありません。
赤漆の繕いには、金で上品に隠すのではなく、赤漆で「直した跡をあえて主張する」という行為自体が、織部的な反骨精神や個性の表現であるという意思が感じられます。

伝世の古美術品として、古い木箱(一部分に傷みあり)と、仕覆が付属します。

口辺の直径132mm×高さ83mm

電話かメールにてお問い合わせください。
電話 025-526-8910

詳細につきましては、ご検討段階でも差し支えありませんので、お気軽にお問い合わせください。