朝鮮 塩笥刷毛目茶碗 Y-549
朝鮮時代中期、十六世紀後半から十七世紀初頭にかけて焼成された塩笥刷毛目茶碗です。
当初より小碗として成形された器で、後世日本の茶の湯において塩笥茶碗として見立てられてきた一碗です。
張りのある胴から高台へと続くシルエットは美しく、内に力を秘めています。
手に取ると包み込むように自然に収まり、茶を点てれば、器の温もりが掌に伝わってくるようです。
寸法・比率・重量はいずれも塩笥として理想的で、扱った際の安定感、据えた際の姿の良さは格別です。
器面には胴に回り込むように趣ある刷毛目の白土が走り、釉と胎土の作用による滲みや火色が重なり合うことで、器全体に奥行きある景色を生み出しています。
胴は正面・側面・背面いずれから見ても破綻がなく、角度を変えるごとに異なる表情を見せ、その景色は、季節の移ろいを表すかのようです。
見込みは深すぎず浅すぎず、轆轤目も渦潮のような広がりのある美しい景色を描き、茶を点てた際の茶の映えも良いです。
小振りながら締まりのある高台は器を力強く支え、高台周りに現れた釉切れの景色も豪快で、見どころとなっています。
口辺は丸みを帯び、口当たりは柔らかく、茶をなめらかに口へと運びます。
茶人の手を経て、長く大切に扱われてきたことが、その佇まいから自然に偲ばれる器です。
朝鮮の生活器に宿る素朴な美と、日本の茶の湯が見出した見立ての美意識とが、結晶した一碗と言えるでしょう。
用の器としての確かさと、力強い形の中に多彩で豊かな景色を併せ持つ、優品と呼ぶにふさわしい塩笥刷毛目茶碗です。
※矢印A・Bの部分は窯キズです。ですが、景色の一部として溶け込んでいます。
直径105mm×口辺の直径80~83mm×高台の直径50mm×高さ84mm
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