朝鮮 刷毛目茶碗　Y-493【売却済】

朝鮮時代前期の刷毛目茶碗です。

器の内側は、刷毛跡が見えぬほど白泥がたっぷりと掛けられ、時代を経て使い込まれた粉引のような、魅惑的な世界が広がっています。
側面は、刷毛に含まれた白泥が、刷毛の勢いの強弱により、刷毛目跡が細い線へと移り行く景色となり、趣のある世界が作り出されています。
白化粧泥により作り出された、器の内と外の二つの景色のコントラストの鮮やかさが、この茶碗の個性と魅力を物語っているようです。
また、味わい深い器の古色は、人から人へと伝え続けられて来たこの茶碗の歴史を表しています。
それらは、陶工と、それを伝えて来た茶人によりなされた美と言えるでしょう。
器の造形は張りのある緊張感に満ち、高台は力強い竹節高台となっています。
茶碗を手に取ると、手に心地よく納まり、茶の緑も美しく映えます。
茶を飲む度に愛おしさが増す、多彩な景色の中に、華やかささえ感じさせる魅力的な茶碗です。

茶碗には、中込・御物袋・風呂敷が付き、箱は二重箱です。

矢印Aの部分に小さな金繕いが施されています。口辺部分に経年の使用による透明釉と白化粧土のハゲがあります。ですが景色に溶け込み、器に魅力を加えています。

口辺の直径137mm×高さ62mm

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