
土偶残欠・顔 K-113
縄文時代後期から晩期の土偶残欠・顔の部分です。
写実的な造形で、「縄文人は、こんな顔をしていたのかな。」と想像が膨らむような土偶の残欠です。
形状から、東北地方出土のものと推定されます。
本品と類似している写実的な表現の土偶の作例として
「新版縄文美術館」写真 小川忠博 監修 小野正文・堤 隆・平凡社 P181 図6.土偶 秋田県虫内遺跡 縄文後期
「東京国立博物館図版目録 縄文遺物篇(土偶・土製品)・中央公論美術出版 P10 図21土偶残欠 青森県西津軽群木造亀ヶ岡 縄文時代晩期
を参考資料として掲載しました。
土偶の土の味わいには、古代からの歴史の重みが感じられます。
縄文人の生活が想像されるような、凛々しい表情の土偶です。
このような写実的な造形は珍しいと思います。
存在感ある魅力的な土偶の残欠です。
■土偶は 縄文人たちの「まつり」に供された後、そのほとんどが、故意に壊され、捨てられたようです。この捨てるという行為自体に、実は、私たちの意識を超えた、ある特別の意味が込められていたと考えられています。これは、病気などで異常のあるところの治癒を願って、あえて破壊したとする説もあります。また、ひとつの遺跡から数多く見つかることから、呪術的に使われたものともいわれています。土偶は、縄文世界の祈りの形「ひとがた」に託した呪術具として、縄文人たちの「まつり」における、祈りを受けとめる精霊の「よりしろ」として機能したと考えられています。
土偶残欠の大きさ 高さ45mm×幅53mm×奥行15mm
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