厨子仏 普賢菩薩像 B-114【売却済】
プロポーションの美しさと、装飾性に富んだ普賢菩薩像です。
普賢菩薩の梵名のサマンタ・バドラとは「普く賢い者」の意味であり、世界にあまねく現れ、仏の慈悲と理知を顕して人々を救う賢者である事を意味します。また、女人成仏を説く法華経に登場することから、特に女性の信仰を集めました。密教では菩提心(真理を究めて悟りを求めようという心)の象徴とされます。
釈迦三尊像では文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍を勤めます。文殊菩薩の智恵に対して「理知」と「慈悲」をつかさどる仏です。
独尊としては、蓮華座を乗せた六牙の白象に結跏趺坐して合掌する姿で描かれるのが、最も一般的です。密教では、左手に宝剣を立てた蓮茎を持る姿や、左手に五鈷鈴、右手に五鈷杵を執る姿で表される他、如意や蓮華、経典を手に持つ作例も見られます。
日本では平安中期以降、女性の救済を説く法華経の普及によって、主に貴婦人たちからの信仰を集めました。日本では絵画・彫像とも作例が多く、彫像の作例としては、大倉集古館の平安時代後期の木像(国宝)などがあります。より密教的な姿として「普賢延命菩薩」という尊格があり、22手を持つ強力な尊とされ、日本でも作例は少なくありません。
この像はもともと独尊として制作された仏です。
顔の表情も美しく、象も生き生きと表現されています。江戸仏はどちらかというと「何か,
ずんぐりとしている」と言った表現がぴったりくる、アンバランスな像が多いのですが、この像は、非常にバランスの取れた美しい像です。
江戸仏は、その精神性を問われる方もおられますが、江戸仏の中にも香気と言えるようなものを漂わせている像があると思います。それは仏像を鑑賞される際には異端とされる見方なのかもしれませんが、この像はその香気を漂わせている像だと思います。
矢印A部分に割れ、矢印1部分に漆のハゲ等、厨子には傷みがありますが、仏像は截金(きりかね)も美しく残り、状態は非常に良いです。
厨子のサイズ 幅72mm×奥行83mm×高さ160mm
お買上げありがとうございます。
Zushibutsu”Fugen-bosatsu”
Edo Period
Zushi width:72mm/depth:83mm/height:160mm
Sold Out