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遮光器土偶・頭部 K-112【売却済】

縄文時代晩期の遮光器土偶・頭部です。

遮光器とは、イヌイットやエスキモーが雪中行動する際に着用する遮光器(スノーゴーグル)のことで、遮光器土偶とは、目にあたる部分がそのような形をしていることからこの名称がつけられました。
構造的には、中が空洞に作られている、「中空土偶」(ちゅうくうどぐう)です。大型の土偶を制作する際に用いられていた手法です。
形状から、東北地方出土のものと推定されます。
参考資料として掲載しました「日本陶磁大系1縄文」 平凡社の図版 9 遮光器土偶 晩期 岩手県軽米町長倉出土 高さ23.7cm と類似した表現がされています。(旧版 陶磁大系1 縄文 平凡社 図版35では同じ土偶が、「中空大土偶」として掲載されています。)
後頭部には流麗な線刻の「雲形文」が配され、力強いフォルムを持つ、祈りの形の象徴を示す土偶です。
眺めていると、思わず笑みがこぼれてしまうような、心が癒される、愛らしい表情をしています。
大型なので存在感があり、見応えがある土偶です。

■遮光器土偶は、東北地方北部の「亀ヶ岡文化」の中で生まれ、短期間のうちに著しい発展を遂げた土偶形式です。そこで生まれた土器の様式は、総して亀ヶ岡土器様式とも呼ばれています。土偶は 縄文人たちの「まつり」に供された後、そのほとんどが、故意に壊され、捨てられたようです。この捨てるという行為自体に、実は、私たちの意識を超えた、ある特別の意味が込められていたと考えられています。これは、病気などで異常のあるところの治癒を願って、あえて破壊したとする説もあります。また、ひとつの遺跡から数多く見つかることから、呪術的に使われたものともいわれています。土偶は、縄文世界の祈りの形「ひとがた」に託した呪術具として、縄文人たちの「まつり」における、祈りを受けとめる精霊の「よりしろ」として機能したと考えられています。

※いくつかの部分を継いでいますが、同一の土偶のものです。

土偶の大きさ 高さ90mm×幅95mm×奥行90mm
台も含めた全体の大きさ 高さ172mm×幅95mm×奥行100mm

お買上げありがとうございます。