李朝刷毛目蕎麦手茶碗 Y-405【売却済】
李朝時代前期の刷毛目蕎麦手茶碗です。
「高麗茶碗・第一巻 中央公論社」に紹介されている 伝来 根津嘉一郎…根津美術館蔵の四十「刷毛目(蕎麦手)」と同手の茶碗です。
同著の作品解説にもあるように、器は、蕎麦と似た姿の茶碗ですが、土味、釉調は蕎麦と異なります。胴は抑揚をつけてゆるやかに立ち上がり、高台は小振りにおとなしく削り出され、高台内の削り込みは浅いです。内面見込みは平らに切りまわされ、その中に目跡が五つくっきりと残っています。内側には白い刷毛目がめぐらされ、内外に青磁釉がかなり厚くかかっています。同著に紹介されているもう一品の「刷毛目(蕎麦手)」の作品解説には「類例の極めて少ない珍しい作振りの内刷毛目茶碗である。」とあります。
伝世の茶碗ならではの、使い込まれた艶やかな潤いのある肌は、人の心を引き付けます。時代の経過を感じさせる味わいのある表情、勢いのある刷毛目跡も魅力的です。
茶碗を、使い、伝えて来た茶人たちの、茶碗を愛でる眼の優しさ、手の温もりまで伝わってくるようです。
「時が茶碗を作る」ということが実感できる美しい茶碗です。
※箱蓋裏の貼紙にある「山本退庵」は、江戸時代中期の茶人で、藤村庸軒(1613-99)の門人であり、庸軒の弟ともされています。。米川流の香道にも通じ、近江(おうみ)(滋賀県)堅田(かただ)にすみ、,堅田退庵ともよばれました。名は宗謙。別号に屯翁,屯竜。著作に「茶席夜話」があります。
矢印A・Bの部分に金繕いが施されています。矢印1・2・3の部分にニュウがあります。
矢印1・2のニュウの上に金繕いが施された跡が残っています。
口辺の直径167~171mm×高さ64~67mm
高台径52mm 高台高8mm 高台畳付4~5.5mm
お買上げありがとうございます。